建築家協会、保存大会。
こんにちは。「旧鹿沼宿歴史を活かしたまちづくり計画」のワタナベです。
昨日と今日の2日間にわたり、東京大学にて行なわれた「日本建築家協会、保存問題東京大会」にお手伝いとして参加してきました。建築家、ジャーナリスト、編集者、建築専門家もそうじゃない人も一同に介し、建築物の保存問題について考える大会です。
大会を終えて感じたことは、「“建築物の保存”は決して“後ろ向き”な考えではない」ということ。参加者の誰もが、「単に古いものが好きで、それを守りたい」のではなく、「可能性や魅力を感じているその対象が、偶然古いもの」だったりするのでは。なぜ、まだまだ使える建物を捨てて、新しく建てようとするのか、そういう仕組みになっているのか、真剣に考えました。
とにもかくにも、やはり地元の専門家、つまり建築家の役割は大きそうです。地域住民の「熱」も重要ですが、その建築物の可能性を周囲に信用させるかは、やはり専門家の力が大きい。
「美しい国、日本。」・・・美しいってなんだ??
路地を解体し、古い建物はゴミにして、道を広げ、都市の密度を下げていく。これまでの人と人の関わり方は消え、隣のお家は何人家族??ってな具合。防災だぁ、安全だぁ、なんて言ってますが、緊急時に近所に誰が何人住んでるとか、あの家はおばあちゃんの一人暮らしだから、大丈夫かしら??とか、それを把握できるような、密度の高い暮らし方を考えなきゃ意味がないです。城壁みたいな家に住んで、外ではヘッドフォンをして歩く、そんな「内な生活」してて良い訳がない。
鹿沼における話ですが、いくら「建築的には価値のない建物で、残す必要はない」ものでも、地域住民の生活の中に息づき、脳に焼き付いていることには間違いがない。そのなかでゆっくり育まれたものは、大切な財産なんです。そんな人間生活の根源、「衣食住」の「住」を、急激な勢いで解体していく今です。それで本当にいいのですか。「豊さ」ってなんですか。「美しい」ってなんですか。こぎれいな家に住んで、プライバシーが守られて、道が広くて、それが豊さですか。学生の小さい頭がいろいろ考えています。

建築家協会、保存大会。_d0098275_2135375.jpg
Photo by nakano dsgn
by nabe_tk | 2007-02-18 21:39
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