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境界のつくりかた
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これは最近見つけました。
中央小学校の校庭ごしに、樹木が生い茂り、そこから屋根が少しだけ顔を出しています。

古い建物には、豊かな植栽がつきものです。
あまり様子を伺えない、というのは、まちに深みを与えます。

最近は、中の様子が伺えすぎて、
見たくない物まで見えてしまう家もあります。

もちろん、その家々の作り方もそうだけれど、
道路の作り方にも問題があるように思う。
by nabe_tk | 2008-10-29 08:04
車のまち
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車に乗ると、ドライバー同士は敵になる。

後ろの車に抜かれたら、ちくしょうと言う人がいるし、
強引に割込まれたら、後ろからあおる人がいる。
我れ先にと皆スピードを出す。
車の外、徒歩だったらそんなことはないのに。

毎朝、そんな敵同士がレースをしているすぐ脇を、
小学生の登校の列が通るのを見ていると、
すごく怖い気持ちになります。
by nabe_tk | 2008-10-24 08:12
下材木町 ケヤキの門
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こんにち、住宅に使われる木材の代表は杉です。
早く真っすぐ成長して、たくさんあるから安い。
でも、杉でさえも、法律では外に露出させてはいけなくて、
外壁にはサイディングやトタンなど、金属系の材料で被せてしまいます。

昔の建物は、柱や梁、木サッシが外に露出していて、
さらには杉、桧、ケヤキ、松、栗、など、たくさんの木材が使われていきました。

金属なんやの人工材料は、どれを見てもツルツルしていて、
同じ表情をしているので、町に並んでいたとしても面白みがないけれど、

微妙に違う表情を見せる木材が町に並んでいたら、
それはそれは楽しそうです。

写真は、旧家の庭で見つけた、門を支えるケヤキの柱。
木目がきれいで、地面からニョキニョキ生えてきたように見えます。
by nabe_tk | 2008-10-21 18:33
下材木町 取り壊し 作業台
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現在、取り壊し作業中のお菓子店。

通りから入り店を抜け、その奥に2代目主人の作業場があります。
何度も打ち付けられた、何かの跡。
数十年のお菓子づくりの重みが。
by nabe_tk | 2008-10-20 17:51
下材木町 明治期の宿 取壊し
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今日は下材木町で、明治期の町家の取り壊しがありました。

この建物、戦後はお菓子屋さんの作業場、店舗、住宅として使用されてきましたが、
明治創建当時は宿を営んでいて、2階にはたくさんの独立した部屋があるなど、
その名残を至るところに見ることができます。

鳶の人たちが作業をする中、室内を見学させていただくと、
まだまだ現役の立派なガラス戸など、このまま捨てるにはもったいない
ものがたくさん残っていました。

歪んだガラス、皆さんもおじいちゃんの家に行くと見たことがあると思います。
「結霜ガラス」と言いますが、このガラスを通してみる景色は、
ゆらゆらと日光を掴んで、とても美しいものです。

このままユンボで潰してしまうのは、あまりにも惜しく心が痛むので、
知り合いの喫茶店店主にさっそく連絡。

「とてもいいガラス戸がたくさんあるのだけれど、取りに来ません?」

美しくもロングライフな建具を引き取って、
自身の喫茶店2号店の内部に使ってくれるそうです。

それを見ていた、持ち主の奥さん。
使ってくれるのなら嬉しいです、と涙を流していた。

やっぱり建物って、その人の人生なんだ。

カフェ饗茶庵 http://www.kyochaan.com/
鹿沼から去った建物たちを構成した建具たち、こちらのカフェで現在も活躍中です。
by nabe_tk | 2008-10-18 21:24
市街地の中心地、最後のところ
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鹿沼旧市街の古い町並みの研究を初めて3年になります。
その間、地元住民の方々の暖かい歓迎のもと、たくさんの旧家にお邪魔しました。

その中に、足を踏み入れた瞬間、鳥肌が起つ建物がいくつかありました。
感動すると同時に、ずっとここにいたいなぁ、と立ちすくんでしまう建物。
そういう素晴らしい建築が、鹿沼には埋もれるように残っています。

そんな建物たち、今週から始まった道路拡幅に伴う敷地の半減によって、
国道沿いでたくさん壊されます。

車の利便性向上という一部の人たちの利益のために、
地元住人が何代にも渡って受け継いだ「生活の場」という一番根源の部分を
一方的に奪い去ってしまう行為が、当たり前にように行われています。

僕は相変わらず、そのな建物を一つでも多く写真と図面に残そうと、
毎日旧市街に出ていますが、そんな、今は誰も見向きもしない資料が、

「まちにとって、いつか必要になるときが来る」

と言ってくれた建築の先生の言葉を信じて、
明日も調査に行こうと思います。

ので、

見かけたら声をかけてください!
by nabe_tk | 2008-10-17 21:19
鹿沼 ぶっつけ 秋祭りも終わって
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最近、鹿沼にたくさんの友人が訪れています。

先週は横浜の友人2人が鹿沼の自然、まちに感動していたし、
今週も同じ横浜のイラストレーターの卵が遊びにやってきた。
大学の研究室の仲間も秋祭りを見学にやってきた。

みんな、鹿沼はいいなぁ、と言う。

鹿沼という地方に住んでいる人と、
東京や横浜など、都会と呼ばれるところに住んでいる人の、
「良し」としている生活環境への考え方には大きな違いがある。

片方は都会を目指しているし、
もう片方は田舎に憧れている。
(もちろん全員じゃないけれど)

たくさんの人を地方に呼び込もうと、
貴重な田舎を都会に作り替える地方人がいる。

あ〜あ、結局ここもどこにでもあるつまらない町になっちゃった、
と、興味をなくす都会人がいる。

少なくとも、まだ僕の友人たちは今の鹿沼を魅力的に感じているようです。
by nabe_tk | 2008-10-13 13:26
職人の考え方
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古い建物をよく観察してみると、

いったいどうやったんだろう、
どれほどのお金と手間ひまをかけたのだろう、

と、その質の高さにため息が出ることがよくあります。

戦後期までは、建設機械も十分にありません。
行程一つ一つに人間の手が、真剣に向き合う必要がありました。
その中で、職人たちは仕事の「質」に価値を見いだしていたのです。

そこでは、「お金が」とか「時間が」とか、
そういうことは議論にも上らなかったそうです。

そういうものが町からどんどん消えていって、
機械のまちになっていってしまったら、
それそれはつまらない。
by nabe_tk | 2008-10-09 00:02
下材木町 街道沿い
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もう間もなく、道路拡幅に伴いたくさんの古い建物が姿を消します。
経済性・効率性については、本当に一流ですが、社会的・心理的魅力については本当に19世紀的です。

道路が広がって真っすぐに補正されれば、車はより速度を上げます。
歩行者はますます反対側に渡れなくなります。
そんなことは下横町の区画整理で既に分かったこと。

地方の住み心地は好きだけれど、こういう地方的な考えは本当に辛いし、悔しい。
by nabe_tk | 2008-10-05 10:21