包まれているような居心地
今日は旧市街のとあるお宅のお庭に入れていただきました。
庭といっても、観賞用のただの庭ではありません。町家特有の、店部分や蔵、倉庫、トイレ、風呂などを繋ぐ役割を持つ庭なので、建物に入れなくても、この庭に入るだけで当時の暮らし方や生活の様子がなんとなしに見えてきます。
このお宅は江戸後期〜明治初期に建てられたもので、ほとんど当時の様相がそのまま残されています。店部分と裏手の蔵や井戸を結ぶトロッコ跡なども残されており、僕には未知の世界でした。簡単に建物と敷地の配置図をスケッチ、写真も撮らせていただきました。

最近は、今回のように古いお宅の敷地に入れていただくことが多いですが、一つ気になっていることがあります。それは足を踏み入れたときに感じる「包まれる」あの感じ。
今回のお宅は、塀、隣家が敷地を囲み、母屋や蔵が庭を囲み、更には建物の壁が居室を囲みます。この入れ子状の段階的な空間の作り方が、僕に「包まれている」感覚を与えているようです。
これは先月僕が訪れた韓国の河回村でも感じました。河回村は16世紀の様子が生の姿で残っている村で、農業を生業とする小さな村です。建築家の中村好文先生も指摘していますが、河回村の名前が示す通り、川が村を囲み、塀が敷地を囲み、建物が庭を囲み、壁が居室を囲みます。ここでも「包まれている」感じを味わいました。

この「包まれる」ような空間。都市部の狭い敷地を広く使う工夫であるようにも感じます。


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by nabe_tk | 2007-11-20 23:36
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