現在、建築調査中の下材木町の町家。
毎朝9時、調査に伺うと必ず、
「お茶一杯のんでから始めなさい」
と、主人が温かい緑茶を出してくださる。
朝日の射す、茶の間の掘りごたつに座っての約15分間。
昨日のお昼は美味しかった、とか、今日の朝は冷えたね、とか。
お昼になると、
「お昼ですよ」
と、食べきれない程の昼食が茶の間に並んでいる。
線香と食事の混ざった香りは、
この近所にあった自分のばあちゃん家を思い出します。
夕方になるとまた、
「お茶ですよ」
と、温かい緑茶を出してくださる。
その日の成果を報告したり、次はいつ来るか、を話したりする。
学部時代、ある授業で「豊かさとは何か」というレポート課題があった。
その時は「お金、時間の余裕」って書いた気がする。
先生、そうじゃなかったんですねえ。